ありませんか?
最小作用、モーペルテュイ、カスチリアノ(第1、第2)、最小仕事、マクスウェル・ベティなど、特に弾性エネルギー絡みの物理の諸定理によく出てきて、
まあ、定理とか原理などと名付けられているから発見するのも大変だったろうけれど、どうやら正しいと確認できた時点で力尽きてしまうテのヤツです。普通は、
と書くでしょうか。u はポテンシャルエネルギー、X は位置等のベクトル、A は弾性マトリクスで、今回、転置の記号は右肩に書きました。
ベクトル、マトリクスの要素は小文字で書くことにします。
u の多項式において、 の係数はどっちみち、
なので、としても「一般性を失わない」と、そのへんまでは良いのですが、
座標 i の安定点、つまり力がゼロ、ポテンシャル勾配がゼロの条件が、
(A は対称行列)
だと。ここで悩んでしまいがちです。これはもっと丁寧に言うと、成分 i の「力」に関して
( A は対称行列)
なんですけどね。これを2通りの仕方で証明してみます。どちらの証明がお好みでしょうか? 私は後者が良くわかる気がします。
証明1:
i の内の特定のものを I とすると、
従って、
(A は対称行列)
証明終わり。
証明2:
X につき、左側と右側を分けて考えます。左側を Y 、右側を Z とすると、
これの意味は、
と明白ですが、行列としての計算は、左右どちらを先にしても良く、左を先にすると、
(A は対称行列)
また、右の掛算を先にすると、
ですが、実は
なわけですから、
(A は対称行列)
証明終わり。
なお、ゴムのような弾性体の現実の現象に対して、損失は考えないとしても二次形式は近似であり、一般には、関数としての
がまずあって、
が出てくるのだと思います。非線形でも式の前半の定義は有効であり、その変化分については、
が言えるはずで、エネルギー保存が意味を持つ範囲である限り、こちらは数学的な原理になってきます。これはたぶん、マクスウェルの相反定理ですね。
力学系に深入りしてしまいましたが、今回はそれを狙ってというよりも、最小二乗法の利用を考える中で、二次形式で引っかかったので、整理してみました。