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電子帳簿保存法対応
(digital accounting --- C#)

 領収書などを電子保存することは、従来違法だった --- 正確には紙の現物を保存しないことが違法だったが、これからは180度変化する。 実は私は従来から基本は電子保存を工夫していた。そこにこの法改正。まさに私の時代が来たのだ。
 今回ご紹介するのは、会計ソフトだ。確定申告用に、一年分のデータを集積するのが目的。帳票の電子保存に対応している。 差し当たっては、小規模な貸家業を念頭にご説明する。

図1
  
図2


 拡張子 *.yer のファイルを開くと、内容が展開できる。因みに、*.yer の実体はテキストだ。フォーマットは今のところ ANSI だったかも知れないが、そこのところはソースを弄れば好きに変えられる。
 各列は、個々の物件に対応している。貸家業においては顧客と言える。
 各行は、勘定科目だ。とても種類が少ないと思われるかもしれないが、貸家業においてはこの程度の考え方でも税務署から叱られることは滅多にない。 貸方、すなわち収入の項目は、家賃のみだ。あとは借方、すなわち支出であるが、これらの項目には、名前の頭に「-」を付ける約束にしている。 これをした項目は、赤字となり、黒字(緑字?)に対する演算としては、赤字の数字は引算される(赤字の内では加算である)。 タイトルをクリックするだけで、行でも列でも、中身を見ることができる。 もう一度クリックすると収まる。 行でも列でも、タイトルをドラッグすると、順序を入れ替えることができる。 タイトルの右クリックで、挿入、削除、名称変更ができる。
 開かれていないときは、値の正負に拘わらず、中身がある項目(ゼロでないもの;マトリクスの要素を以下「項目」と言う)には「+」のマークが付いている。

図3
 

 各項目の中で、減価償却費の金額は、確定申告の最後まで正確には決まりにくい項目であり、ここに示したのは暫定値である。 不動産価格は土地と上物から成り、減価償却は上物に対してのみ行われるのだが、土地と上物の価格は個別には決まっていないことがある。 また、不動産屋さんの仲介手数料は物件価格に加算するのだが、これも土地と上物にどう振り分けるかに任意性がある。 さらには、計算を日割りにするか月割りにするかなど、計算の基本は法律で決まっていても、運用の細かいところには任意性がある。 で、完全に決まるのは、国税庁のサイトに入力した時である。
 あと、物件を買ったり売ったりした時の代金はどこに入るのか気になる方が居られるかも知れないが、それはここには入らない。 なぜならそれは、貸主個人の支出や収益であっても、貸家業という事業における損益ではないからだ。 事業主が物件等に出資した金は、「事業主借り」という会計項目になる。事業を主体にしているので、事業主「に」借りたという考え方だ。 事業主に返した、あるいは収益を上げた場合は「事業主貸し」だ。 事業専用の金庫や口座を確保している場合は別だが、多くの個人事業では事業自体の残金というのはほぼないと考えられる。 事業資産は不動産など物件自体や専用の機材(もしあれば)のみで、これが年次の事業主借り残高に釣り合う(事業の借入金がない場合)。

 次にマトリクスの要素である「項目」の説明に移る。 升目をクリックすると、次のようなダイアローグが開く。 ここで見ているのは家賃収入だが、その内容は右下のテキストボックスに入れる。 各行が個々の入金(出金)に対応しており、例えば、「27097 5」というのは、¥27,097 が 5 月に入ったという意味だ。 正確を期すなら、5/25 とすれば、5月25日の意味になる。この後、空白を空けてからコメントを書くこともできる。 次の行に「60000 6-12」とあるのは、6月から12月まで継続して6万円が入ったということだ。 日にちが決まっているなら、6-12/25 などと書けば、各月25日の意味になる。 また、マイナス記号がダブった、例えば「22800 2--12/15」は、2カ月おきの取引を意味する。マイナスの数が取引の間隔だ。
 この集計が total に算出され、この「項目」における金額になる。

図4
 

 次に、帳票の管理に移る。右上のテキストボックスにあるファイル名をクリックすると、その内容を見ることができる。 また、「add image」ボタンによってファイルを登録することができる。 途中の使い勝手は少しだけ変わるが、pdf の登録、参照もできる。 pdf の場合はエキスプローラを呼び出しており、勿論ビューワーソフトを入れている必要がある。

図5
 
 
図6
 
 
 デモを含む資源は次からダウンロードできる。
source.zip
 この中身であるソフト自体のコードは次による。