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メルカトル図法
(map projections; Mercator etc.)

地図投影法学習のための地図画像素材集 の図を使わせて頂きました。

A: 正射方位図法

地球を無限遠から見たままの図法です。 以下の各図に共通することとして、罫線、緯線共に、15度毎に引かれています。 緯線の間隔は、南北の極に近づくほど、詰まっています。


B: 正距円筒図法(標準緯線0度)

緯線が等間隔です。赤道において、南北のミクロな距離と東西のミクロな距離とが一致します。 高緯度では相対的に横広になります。


C: 正距円筒図法(標準緯線45度)

緯線が等間隔ですが、さっきより全体的に上下に伸び、ある緯度(この場合は、南北の緯度45度)において、南北のミクロな距離と東西のミクロな距離とが一致します。


D: メルカトル図法

極付近では縦横共に広くなります。 各点での方位が正確なので方位磁石を使う航海に便利と言われていましたが、任意のローカルな部分を拡大した場合に、縦横比において違和感がないメリットがあります。


【各図法の関係】

各図法の緯度と、図上での上下方向の位置の関係は次のグラフのようになります。


【各曲線を与える式】

極座標は極を θ=0 に取ることが多いですが、世界地図なので、緯度に合せて、赤道をゼロに決めました。 正射方位図法を表わす A は正弦曲線で、正距円筒図法を表わす B、C は直線です。

問題はメルカトル図法の D ですが、各緯度の地図は相似を維持し、正方形は正方形に(厳密にはそうはならないにしても、大きさゼロの極限ではそう)なります。 東西の距離は、(同じ経度幅なら)cos θ に比例となるので、図上の上下位置を m とすると、d θ/d m = cos θ ということは言えます。 これを積分形にすれば、
   
です。

問題はこの積分ですが、Google で「積分 cos」とすると、すぐに見つけられました。 大学入試対策では「必ずしも」覚える必要はない、ということですが、レベル高すぎですね。 こんなのがあったことも忘れています。 ともあれ、公式は目的があってこそであり、今回、目的から入ることができました。 具体的には、一見関係なさそうに見える幾つかの解の形式がありました。
   

しかし、私としては上の第一式をもう少し変形した次の式を使っていこうと思います。
   

これを採用したい理由は、逆関数に結びつくからです。すなわち、
   

これを手掛かりに、パノラマ写真のソフトを作ってみたいと思っています。